「3.11」を迎えて ~ふくしま創生に挑む~

 東日本大震災から丸8年となりました。巨大地震、大津波、東京電力福島第一原発事故という未曽有の複合災害は今なお県民を苦しめています。しかし、苦しみを乗り越えようとする県民の頑張りが、少しずつ暗い影を拭い、県土は再び光を取り戻しつつあります。未来の子供たちに自慢できる福島県をつくるため、苦難を乗り越えてきた誇りを胸に今後も協会会員一丸となって挑戦を重ねていきたいと思っております。

 このような中、震災後、県内全線が不通となったJR常磐線は、開通区間が段階的に解消し、20203月末までに全面復旧する見込みです。420日にはJヴィレッジの全面再開に合わせ、新駅のJヴィレッジ駅が開業します。相馬市と福島市を結ぶ東北中央自動車道「相馬福島道路」は相馬~相馬山上IC間の2019年度開通をめざし、急ピッチで工事が進められております。その他、国などによる福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想が動き出し、航空宇宙関連産業、再生可能エネルギー、医療機器の開発など本県を新産業の創造地とする事業も進んでおります。今月5日には「いわき鹿島水素ステーション」がオープンし、新エネルギー社会に向けた先駆けの地をアピールされました。また、先に避難指示が解除された場所では、先駆者がかつての生活を取り戻そうと格闘しております。

 広い県土を見回せば、少子高齢化などによる集落の疲弊もあります。隠れた宝を掘り起こす取り組みを広げ活力と自信に繋げていければと思っております。

 復興の基礎は県土、県民を元気にすることだと考えます。

 顔を上げよう。前を向こう。手を携え「ふくしま創生」の道を切り開いていきましょう。

一般社団法人福島県地質調査業協会

会長 佐藤 宗弘